不動産の相続税～計算方法や節税方法～

亡くなった人の財産を配偶者や子などが相続すると相続税が発生します。
今回は、土地や宅地を相続した場合に発生する不動産の相続税について解説していきます。

■　不動産の相続税の計算方法
不動産にかかる相続税は、イメージ的には
『相続した不動産の「相続税評価額」×税率＝不動産にかかる相続税』
で算出することができます。（実際の納税額の計算方法とは異なります。）
相続税評価額は土地や建物により異なります。

(1)路線価が定められている土地（主に都市部）
路線価（＝国税庁が定めた１㎡当たりの土地の値段）があるため、
『路線価×土地の面積＝相続税評価額』
で求めることができます。

(2)路線価が定められていない土地（対象の土地が「倍率地域」と表示されていた場合）
評価倍率（＝国税庁が定めた、宅地や田、畑などに分類されて表示される倍率）があるため、「倍率方式」で相続税評価額を求めることができます。
『評価倍率×固定資産税評価額＝相続税評価額』
（固定資産税評価額は、市町村から毎年送られてくる「固定資産税の課税明細書」で確認できます。）

(3)建物の場合
市区町村から送られてくる「固定資産税評価額」がそのまま相続の評価額です。

■　不動産の相続税の節税方法
不動産の相続税は多くの場合、軽減することができます。
具体的には、

(1)基礎控除を活用する
(2)小規模住宅地等の特例を活用する
(3)土地の形状等による減額要因を考察する
が考えられます。

(1)基礎控除の活用について
相続財産の額が基礎控除の額より少ない場合は、相続税を支払わなくて良いとされています。この場合は、相続税の申告を行う必要もありません。
相続税の基礎控除は以下の計算で算出することができます。

『3,000万円 ＋（600万円×法定相続人の数）＝相続税の基礎控除』

そのため、法定相続人（妻や、子ども、親戚など）の人数が増えるにつれて、相続税の基礎控除の額もあがっていくので、節税対策につながるのです。
また、配偶者の税額軽減という仕組みもあります。配偶者が相続する場合には、1.6億円または法定相続分のいずれか高い金額までが非課税になります。

(2)小規模住宅地等の特例を活用する
自宅の敷地を配偶者や同居人の子が相続した場合など、一定の要件を満たす土地を相続した場合、最大で評価額の80％を減額することができる制度です。
小規模宅地等の特例を適用して相続税額がゼロになった場合、相続税の申告書を提出する必要があります。

(3)土地の形状等による減額要因を考察する
土地の形状や道路との高低差、近隣の住環境等により、評価が大きく変わる場合がありますので、土地に関しては、評価に際して十分に確認する必要があります。

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