親族内事業承継について

親族内承継とは、親族を後継者する事業承継の形です。
親族内承継は、日本においてスタンダードな事業承継といえるものであり、社内外からの理解を得やすい事業承継といえます。

親族内承継のメリットとしては、後継者教育のしやすさ、節税対策のしやすさなどが挙げられます。
中小企業庁によると、事業承継には3〜5年程度の時間を要するとされており、後継者が決まったからと言って、事業承継が成功したとはいえません。
それは、後継者教育を行い、経営者としての自覚や能力を養う必要があるからです。

後継者教育では、現経営者と後継者の方が並走しながら、業務の引き継ぎなどを行います。

親族承継であれば、後継者教育もしやすく、後継者と現経営者とで言いたいことを言いやすい環境が作りやすいといえます。

次に、節税対策のしやすさについてですが、事業承継は、株式の相続・贈与において大きな税負担がかかります。
これが大きな負担となっていたため、事業承継税制という税制が設けられ、税負担を軽減することができるようになりました。
親族承継は、この制度の特例制度を利用しやすくなっており、事業承継時にかかる税負担をかなり抑えることができるのです。

親族内承継の注意点としては、後継者に承継する意思があるかどうかを確信しておくことなどが挙げられます。
働き方が多様化している現代において、親族の後継者候補が別の企業で働いているというケースも少なくありません。
そうした時に、現経営者と後継者候補とで齟齬があり、トラブルとなるというケースがあるのです。
現経営者と後継者とで話し合いの場を設けて、きちんと意思疎通ができる環境を作るよう心がけることをおすすめいたします。

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