親族外事業承継について

役員などを後継者として行う事業承継を、親族外事業承継といいます。
親族外事業承継は、会社の業務や理念などに理解のある人物を後継者とできることから、社内外からの理解を得やすい方法と言えます。

親族外事業承継は、経営権だけを承継する方法と、経営権とともに株式を承継する方法があります。
会社の意思決定権は株式とセットですから、経営権のみの事業承継は、後継者の立場が確固としたものにはなりません。
経営権のみの事業承継は、将来的に親族に事業承継する場合などに限定することお勧めいたします。

株式を後継者となる従業員などに譲渡することを、MBO（Management Buy-out）といいます。
MBOを行うには、後継者候補に株式を買い取るだけの資金が必要となるため、親族外事業承継において課題となります。
対策としては、株式評価額を下げる、役員報酬を増額するなどの方法が挙げられます。
また、金融機関から融資を受ける際の個人保証も後継者が引き継ぐ必要があることがあり、これも課題といえます。
こうした課題もあり、親族外事業承継では、後継者候補が事業承継することに消極的になってしまうケースもあります。
現経営者と後継者候補とで話し合う場を設け、こういった課題について検討しておくことをおすすめいたします。

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